MonotipsStation · #288

monotips station vol.288 1年ぶりのイデコラボの村田さんと今年を振り返るTIPS

IDECOLABO村田さんと1年ぶりに対談。共催中心の交流会運営、個人事業の引き継ぎリスク、AI活用の1年、来年の店舗展開・会員100人目標を振り返るmonotips station第288回。

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IDECOLABO村田さんと振り返る、コワーキングとAIの1年|monotips station 第288回

イントロダクション

2025年12月、年の瀬の忘年会シーズンに収録されたmonotips station第288回は、恒例となった年1回のゲスト回です。西宮・甲東園でコワーキングスペース「IDECOLABO」を運営する村田さんを迎え、あらかわ・しばっちの3人で1年を振り返りました。

IDECOLABOは2018年開業、コワーキング業界としてはすでに老舗の域に入る7年選手です。今回は、コワーキングというビジネスの本質がこの1年でどう変わったか、個人事業ならではの事業継続リスク、そしてAIが仕事にもたらした変化という軸から、経営者同士のリアルな本音が飛び交う回になりました。

年に一度顔を合わせるからこそ見えてくる変化と、来年に向けた具体的な目標まで。個人事業や小さな組織を経営する人にとって、等身大のヒントが詰まった内容です。


1. 「共催」が教えてくれた、コワーキングの本当の意味

1-1. 場所貸しの先にある価値

IDECOLABOはコロナ前・コロナ禍・現在と、利用者層を変えながら7年間続いてきました。コロナ禍は静かに作業したいテレワーク層の利用が中心でしたが、現在はビジネスオーナー層の利用が増えているといいます。

村田さんが今年特に感じた変化は、「オーナー同士の声がけ」が増えたことです。近所に住む経営者やフリーランスが、大阪まで移動する時間を惜しんで、家の近くのIDECOLABOで人と会うようになった。仕事場所が生活圏の近くに戻ってきている、という肌感覚です。

1-2. 主催から共催へ、変わった交流会の作り方

IDECOLABOは月1回の交流会を続けていますが、今年の変化として村田さんが挙げたのが「主催」から「共催」へのシフトです。これまでは村田さん自身が企画・主催することが多かった交流会が、今年は利用者が自分で交流会を企画し、IDECOLABOが場所と後押しを提供する形に変わってきました。

「共催っていうのが今年なんか全体的に多くて。コワーキングっぽいことがなんか実現できてきてるなーって」(村田さん)

これは単なる運営の省力化ではなく、コワーキングスペースが目指すべき本来の姿への回帰でもあります。場所を貸すだけの施設ではなく、利用者自身が「ここで何かを始めていい」と思える場になっていること自体が、7年間積み上げてきた信頼の証といえます。

1-3. 交流会から生まれた、ある参加者の成長

今年印象的だった出来事として村田さんが紹介したのが、交流会をきっかけに知り合った参加者の変化です。もともとビジネスを始める前の段階で交流会に参加していたその人物は、そこから人脈を広げ、初夏には海外でパフォーマンスアーティストとして活動を始めるまでになりました。

村田さんはこの急成長の理由を、才能や運ではなく「素直さ」だと分析します。

「一番大事なのは素直じゃないかなと思って。言ったことをそのままやらはる人」(村田さん)

経験を積むほど「これはもう知っている」「やっても意味がない」と可能性に自分でフタをしてしまいがちです。年数を重ねた経営者ほど耳が痛い指摘であり、あらかわとしばっちも「10年ぐらい経ってくると素直さがなくなってくる」と苦笑いする一幕でした。


2. ひとりで背負う仕事の、見えないリスク

2-1. 突然のバックアップ体制の必要性

今年、しばっちが強く意識するようになったのが、個人事業ならではの事業継続リスクです。きっかけは、同業の知人が引き継ぎのないまま急逝したという出来事でした。自分がどんな業務を、どのお客さんと進めているかを知っているのが自分ひとりだけという状態は、いざというときお客さんに大きな迷惑をかけてしまいます。

「自分がどんな業務をしてるっていうのを知らない人ばっかりなんで、それちょっとリスクだなと思ってきて」(しばっち)

2-2. 組織化が簡単ではない理由

対策として浮かぶのは組織化ですが、しばっちは「共同代表」という形には踏み切れないと言います。対等な立場での共同経営は意見の衝突が起きやすく、覚悟が必要になるためです。パスワード管理や引き継ぎ資料の整備など、できることから手をつける段階に留まっているのが実情です。

これは事業の規模に関わらず、経営者がひとりで意思決定を担う体制につきまとう共通の課題です。売上や集客の話に比べて後回しにされがちですが、事業を続けるための土台として避けて通れないテーマだといえます。


3. AIで時短した先に、何を考えるか

3-1. 1年で仕事のやり方が一変した

あらかわが今年最も印象に残ったチップスとして挙げたのが、AIの進化です。文章の体裁を整える、資料をわかりやすい図解に変換するといった作業が、この1年でAIに任せられるようになりました。

「1年前と全く仕事の仕方が変わりましたね」(あらかわ)

3-2. 守秘義務との線引き

一方でしばっちは、業務上の守秘義務があるため、お客さんの個別情報をAIに入力することはしないと明言します。ただし、守秘義務に関わらない定型文書の作成には積極的にAIを活用しており、「出てきたものが正しいかどうかの判断」を自分の役割として位置づけています。

これは、AIをどこまで信用してよいかという線引きの実例です。効率化できる領域と、人間が最終判断を持つべき領域を分けて考える姿勢は、業種を問わず参考になります。

3-3. 出てきた答えを疑う習慣

あらかわからは、AIが事実確認の質問に対して明らかな誤答を返してきた体験も共有されました。もっともらしい文章で断定的に返してくるからこそ、答えのある問いについてはウラを取る習慣が欠かせません。

「答えがある話を聞くのはちょっと怖いな」(あらかわ)

AIによって浮いた時間を、次に何に使うか。「空いた時間で自分は何ができるんだろうって、本当に考えないといけなくなってきますよね」というあらかわの言葉は、AI時代の分岐点を端的に表しています。


4. 来年に向けて、それぞれが見ている数字

4-1. IDECOLABOセカンドフェーズ

あらかわは来年、複数店舗展開の構想を明かしました。エリアを広げすぎない範囲で新しい拠点を検討しているといい、長年ひとりで背負ってきた事業を次のフェーズへ引き上げる決断です。

4-2. 月額会員100人という目標

村田さんが掲げる来年の目標は、IDECOLABOの月額会員を100人まで増やすことです。バーチャルオフィス契約なども含めた数字で、日々の交流会や共催の積み重ねの先にある、具体的な到達点として語られました。

4-3. 知名度を上げる、狭く深く

しばっちの来年の目標は、専門職の中での知名度アップです。フォロワー数のような広がりよりも、業界内での信頼と認知を優先する方針で、Xなどでの発信を強化していく考えを語りました。


エピソードの総括

今回の学びとポイント

  • コワーキングスペースの価値は「共催」の広がりに表れる。運営者が主役であり続けるより、利用者が自分で場を動かせる状態こそが本来の姿
  • 交流会などの場が人を成長させる鍵は、才能ではなく「素直さ」
  • 個人事業の継続リスクは売上や集客より後回しにされがちだが、引き継ぎ体制の整備は避けて通れない
  • AIによる時短は前提になりつつある一方、答えのある事実確認には引き続き人間のウラ取りが必要
  • 来年の目標は、複数店舗展開・会員100人・業界内知名度アップと、それぞれ具体的な数字や範囲で語られた

あらかわ・しばっちからのメッセージ

年に一度、同じゲストと1年を振り返るからこそ見える変化があります。今年は「ひとりで背負う」ことの限界と、「人に任せる・場を委ねる」ことの価値が、コワーキング運営にも個人事業の継続にも共通して浮かび上がった回でした。

次のステップ

自分の事業やチームで、いざというときの引き継ぎ体制がどこまで整っているか、一度棚卸ししてみてください。AIについても、時短できた時間で何を考えるかまでをセットで振り返ってみるのがおすすめです。


monotips stationについて

monotips stationは、ビジネスの小ワザを紹介するWEBマガジン「monotips」から生まれたPodcastです。編集長のあらかわと副編集長のしばっちが、毎週ビジネスに役立つTIPSを紹介しています。

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