AIloglog · #61:47:00

便利さの先にある安全境界

キーボードとドッキングの近況から、Fable 5 / Mythosが急に使えなくなった話、AI規制とスパム、そしてAIチーム運用の境界線まで。

AI活用・運用fablecodexsafety

章の「ここから聞く」を押すと、このプレーヤーが該当位置へ移動します。

走り書き

今回いちばん引っかかったのは「便利さの先にある安全境界」のところ。AIチームに任せると確かに速いけれど、どこまで握っておくかを決めていないと、速いまま事故る。 Fable 5 / Mythosが急に使えなくなった件も含めて、便利なものほど自分の手綱を外注していたことに気づかされる回です。

タイムライン

書き起こし整形版

自動書き起こしを章ごとにLLMで圧縮し、掲載用に事実関係と語尾を整えています。会話の揺れは少し残しつつ、読み返しやすいログとして再編集した版です。

00:00 オープニング: キーボードとドッキングステーションの近況

今回は、キーボードとドッキングステーションの近況から。持ち運び用に買ったKeychron系のキーボードは、昔の「安くて良い中華ブランド」という印象から、いつの間にかしっかりハイエンド寄りになっていた。ファブリックのケースだけで一万円台という価格には少し驚きつつも、打つ気分が上がるなら道具としてはかなり大きい。

音声入力が便利になってから「もうキーボードはいらないのでは」と思うこともあったけれど、実際にはキーボードにストレスがあるから打たなくなっていた可能性もある。分割キーボードや自作キーボードにも興味が出てきていて、入力環境そのものを見直すタイミングなのかもしれない。

るぅさん側は、以前おすすめしたドッキングステーションをようやく購入。台風の日の配送を避けてキャンセルしたらセールが終わってしまったものの、後日さらに安くなった通知が来て、結果的に良いタイミングで買えた。外付けHDDを複数台つなぎ、NASを買う前にまず手元のドッキングで運用してみる、という現実的な着地点になった。

この回は2026年6月15日収録。前回の「Codexに乗り換えた」話から2週間。日記に救われた話もありつつ、この2週間でいちばん大きかったのは、やはりFable 5 / Mythosまわりの騒動だった。

09:00 Fable 5 / Mythosと「便利なAIほど怖い」話

Fable 5 / Mythosは、公開された瞬間から「これはすごい」と話題になった。ブラウザでは使えるけれどClaude Codeでは使えないと思っていたら、Claude Code自体をアップデートすると動いた、というあたりも含めて、モデルの進化が急に手元へ降りてきた感覚があった。

ところが、実質2日ほどで急に使えなくなる。輸出規制のような話も出て、アメリカ国内の扱いや海外提供の制限など、AIモデルが単なる便利ツールではなく、国や企業の利害に深く絡むものになってきたことを感じた。公開の衝撃と、止まった衝撃がほぼ同時に来た回だった。

同じ時期に、イベント主催者向けのスパムが急に増えたようにも感じていた。Fable 5が直接関係しているかは分からない。ただ、高性能なAIが悪用されると、こういう精度の高いスパムや攻撃が一気に増えるのでは、という怖さはある。便利なAIほど、何に使わせるかを考えないといけない。

Claude系のモデルは、良くも悪くも自律性が強くなっている印象がある。ポンと投げたときのアウトプットは楽しい。一方で、メール送信のような不可逆操作を勝手に進めそうになった経験もあり、「ここは任せない」という境界線を明確にしておく必要がある。Codexの慎重さとClaudeの推進力は、使い分ける対象が違うのかもしれない。

18:00 今朝の事故: Gitを正にしてNotionをサブにする

この日の朝、自作のタスク管理アプリでデータが消えたように見える事故があった。実際にはローカルに残っていたので復旧できたが、Gitへの自動アップロードが2週間ほど止まっていて、過去の差分を切る処理が走ってしまったのが原因だった。かなり焦ったが、Gitの履歴とローカルのバックアップがあったことで、ほぼ完全に戻せた。

Notionも同じ日に不調で、台本に入れない時間があった。APIでは読めるのに画面だけが壊れている、という状態を見ると、クラウドサービスの便利さと脆さを同時に感じる。だからこそ、仕事や日記の正本をGit側へ寄せ、Notionは見た目や補助のレイヤーにする判断が強まった。

GitはDropboxのように差分が残る。どこで止まって、どこから壊れたのかを追える。もちろんGitを使えば自動で安心という話ではなく、全体の仕組みをある程度把握していないと復旧もできない。AIエージェントを使うには、やはり基礎的なPC理解や「ここが怪しい」と見る勘どころが必要になる。

スマホからAIを使っているように見えても、実際にはリモートでMacへ入って作業していることが多い。Jump DesktopやSlash Rなどを使えば、スマホからターミナルを開いてClaude CodeやCodexを動かせる。ただ、その構造を理解できないと、今の段階のAIエージェントはまだ扱いにくい。

27:00 AIチーム運用とコーディングの分業

この2週間で、仕事の進め方はかなりCodex中心に寄った。少し重めのタスクが出たら、まずCodexに「これをやらないといけない」と投げて、スレッドをピン留めしておく。すると次に開いたとき、やることの入り口ができている。タスク管理というより、タスクごとにセッションを置いておく感覚に近い。

請求データの整理のように、考えるだけで手が止まる作業でも、最初の一歩をAIが言語化してくれると進めやすい。ジャンの一覧を引っ張り、照合し、基幹システムに入れる並びへ直す。人間が全部を頭の中で抱える前に、まず分解してもらえるのが大きい。

ただ、Codexに依存しすぎると利用量の問題が出る。そこでCursorも使い始めた。Codexをプロマネにして、狭い実装作業はCursorに投げる。エディタ上で動くので、API連携というよりGUI上のコピペに近いが、実際にはかなり速い。コードやサイト制作のようにローカル編集が発生する作業では、分業させる価値がある。

AIツールはそれぞれ性格が違う。Codexは相談と安全確認、Cursorは実装修正、Claude系は勢いのある生成、Geminiは検索に近い壁打ち。全部を一つの万能AIとして見るより、チームとして役割を切った方が使いやすい、という感覚が強くなっている。

36:00 ローカルLLM選定とAPI課金リスク

GeminiのFlash Liteはかなり速く、Google検索に近い軽い壁打ちには向いている。ただ、精度やソース確認の安心感ではPerplexityを使う場面もある。AIごとに「速いけど不安」「遅いけど根拠が見える」という違いがあり、用途で選ぶ必要がある。

ローカルLLMについては、gpt-ossの20BをM4 Mac miniで動かしてみたが、やはり重かった。メモリもCPUもかなり使い、常時運用には厳しい。良いモデルを使いたい気持ちはあるが、ローカルで回すなら軽さと安定性が重要になる。

一方で、APIで外部モデルを使い続けると費用が読みにくい。今は遊びや検証の範囲でも、業務の中に組み込むなら、どこまでをAPIに出すのか、どこからをローカルで済ませるのかを決めておく必要がある。便利さに任せていると、処理量もコストも膨らみやすい。

AIのモデル選定は、性能比較だけでは決まらない。速度、費用、プライバシー、手元で動く安心感、失敗したときに止められるか。そういう運用面まで含めて考えると、ローカルLLMはまだ万能ではないが、手元に置く意味は大きい。

45:01 イベント出展中の隙間AI作業

イベント出展中の空き時間にも、AIを使った作業はできる。スマホからリモートでMacに入り、CodexやClaude Codeへ指示を出す。以前なら「帰ってからやる」だった作業が、会場の隙間時間に少しずつ進むようになっている。

ただし、スマホだけで完結しているわけではない。実態は、Mac上の環境を遠隔操作している。だからこそ、ローカルにファイルがあり、Gitがあり、AIが読める形になっていることが効いてくる。スマホは入口で、本体は手元の作業環境という構造だ。

この感覚は、AI秘書というより「横に作業者がいる」に近い。自分が現場にいても、裏側では別の作業が少し進んでいる。とはいえ、外部送信や本番反映のような取り返しのつかない操作は任せない。隙間時間で進める作業ほど、止める場所を決めておく必要がある。

54:01 自分専用アプリとログ振り返り

自分専用のタスク管理アプリは、Notionを離れてGitとMarkdownを正本にする方向へ進んでいる。画面は自分のためだけに作ればよいので、一般的なSaaSのように万人向けである必要はない。自分が見たい切り口、自分が不安になる場所、自分が戻りたいログに合わせて作れるのが強い。

今回の事故でも、日記があったから異常に早く気づけた。朝に日記を書こうとして、2週間分のデータが見えないことに気づいた。もし日記を書く習慣がなければ、もっと後になってから大きな問題として発覚していたかもしれない。

ログは、単なる記録ではなく復旧の手がかりになる。AIに「何が起きたか」を調べさせるにも、過去の状態や変更履歴があるから追える。日記、Git、Markdown、タスクログは、それぞれ別の形で自分の外部記憶になっている。

63:03 タスク可視化でコントロール不能なストレスを減らす

タスク管理でいちばんしんどいのは、作業量そのものより「何がどれくらいあるか分からない」状態かもしれない。可視化されていないタスクは、実際より大きく感じる。AIに整理させ、画面上に出し、今やることと後で見ることを分けるだけで、コントロール不能な感じはかなり減る。

AI Ops Hubのような自分用ダッシュボードは、単なる便利ツールではなく、不安を下げる装置でもある。どこで止まっているか、何が次か、どの作業に人間の判断が必要か。それが見えるだけで、頭の中で同じことを何度も考えなくて済む。

ただ、可視化をAIに任せるほど、正本をどこに置くかが重要になる。Notionの画面が壊れたとき、AIが読めるのか。Gitに残っているのか。ローカルにバックアップがあるのか。便利なUIよりも、復旧できる構造の方が最終的には大事になる。

72:06 AIメンテ、外部記憶、音声入力アプリ案

AIを使う生活では、AI自体のメンテナンスも必要になる。どのモデルを使うか、どのツールに何を任せるか、ログをどこに残すか。便利になった分だけ、環境が複雑になり、放っておくとどこかで詰まる。

音声入力については、まだ専用アプリを作りたい気持ちがある。スマホで話したことが、日記やタスクやメモとして、AIが読める形に整理される。手で書くログと音声ログは違うが、どちらも外部記憶としては価値がある。

重要なのは、記録をAIが読める形にしておくこと。人間だけが気持ちよく見られるノートではなく、AIが検索し、要約し、次の作業に使える形式にしておく。そうすると、過去の自分の判断や迷いが、未来の作業を助ける材料になる。

81:08 紙の手帳とAIタスク管理の再考

AIにかなり寄った2ヶ月を過ごしていても、紙の手帳への関心は戻ってくる。デジタルのカレンダーやタスク管理は便利だが、中長期の時間感覚を身体に入れるには、紙の方がしっくりくる場面がある。

今回話していたのは、年間のグリッドライフプランナーと、直近2ヶ月を見渡せるブロックマンスリーを組み合わせたようなリフィルの案。1年全体と、目の前の2ヶ月を同時に見られると、少し先の予定に対する不安が減る。スマホの画面では見えているようで見えていない俯瞰が、紙だと一瞬で入ってくる。

AIに頼めば、こういう自分用フォーマットもすぐ試作できる。市販の手帳を探し回るだけでなく、自分の見たい形を作ってみる選択肢が出てきた。デジタルと紙は対立ではなく、AIで紙の設計を助け、紙で時間感覚を取り戻す、という組み合わせがありそうだ。

90:11 Mac miniとローカルAI環境の現実性

M4 Mac miniは、ローカルAI環境としてかなり面白い。ただし、何でも快適に動くわけではない。重いモデルを常用しようとすると、メモリやCPUの限界はすぐに見える。ローカルで動かすなら、用途を絞り、軽めのモデルを安定して回す設計が必要になる。

それでも、手元でAIが動く意味は大きい。外部APIに投げたくない内容、コストを気にせず何度も回したい処理、夜間にまとめてやる軽い分類や要約。そういう作業は、ローカルLLMと相性が良い。

VPSやサーバーの知識も、今後はAI運用の基礎体力になりそうだ。知らなくても使える世界には向かっているが、知っていると復旧できるし、安く済ませられるし、自分で判断できる。AIが便利になるほど、人間側の基礎教養が不要になるというより、別の形で効いてくる。

99:12 WWDC、Siri、AIエージェントの入口

WWDCでは、SiriのAIエージェント化にも期待と不安があった。OSレベルで自然にAIが動くようになれば、スクリーンショットを撮って渡すような回りくどさは減るはず。一方で、子どもやITリテラシーの低い人が使っても大丈夫なのか、地域ごとの規制にどう対応するのか、気になる点も多い。

Appleが本当にAIエージェントの入口を作れたら、家族や友人にも「こう使える」と説明しやすくなる。今はショートカットやDropbox連携のようなハックで実現していることが、OSの標準機能として自然に動くかもしれない。M1チップが出たときのような転換点になれば面白い。

ただ、2026年のAIは動きが速すぎる。Fable 5 / Mythosのように、出たと思ったら止まるものもある。Google、Anthropic、OpenAI、Apple、中国系モデル、それぞれの動きが地政学や規制とも絡んでいる。だからこそ、AIloglogはその時点の感覚を残すログとして意味がある。

10年後に振り返ったとき、「この頃はこういうことで驚いていた」と分かるようにしたい。更新は無理に週次へ固定せず、触ったもの、引っかかったこと、あとで読み返したい違和感を残していく。そんな番組として続けていく。