MonotipsStation · #273

万博の「黒字確定?」を読み直し、ダメ出しをAIに預ける|monotips station 第273回

万博の1800万枚を黒字確定とせず報道を読み直し、自分の目で判断する大切さを考察。後半は、サイトへのダメ出しをAIに預けて改善する方法を紹介。

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万博の「黒字確定?」を読み直し、ダメ出しをAIに預ける|monotips station 第273回

イントロダクション

2025年8月20日配信のmonotips station 第273回では、大阪・関西万博の「1800万枚売れたら黒字」という数字を手がかりに、報道の空気と自分の体験を読み直します。あわせて、あらかわが自社の物販サイトへのダメ出しをAIに預け、文言や導線を直した過程も紹介します。

1800万枚は、本当に黒字確定を意味するのか。反対意見ばかりだった報道が、いつの間にか賞賛に変わったのはなぜか。そして、人からもらった指摘を自分の仕事へ移すとき、AIをどこに置くと気持ちが楽になるのか。今回は、この2つを掘り下げます。


1. 1800万枚の先にある「黒字確定?」

まずは、チケット販売数と報道の変化を手がかりに、万博をもう一度見直します。

1-1. 1800万枚は、黒字の確定通知ではない

しばっちが万博を取り上げたきっかけは、親戚の集まりでした。大阪の人が多く、万博の話が止まらない。好きだと言う人が、思っていたより多かったそうです。

公式サイトを改めて見ると、楽しそうな作りになっている。8月12日時点では、残り62日と表示されていました。5月に見たときとは印象が違う、という反応も会話に出てきます。

そこへ、チケット販売数が1800万枚に達したというニュースが重なりました。事前の計画では、1800万枚売れると黒字になるという説明だったため、これで黒字が確定したのかと聞きたくなります。

ただ、しばっちの見方はもう少し慎重です。1800万枚は計画上の線であり、予想より費用がかかっていれば結果は変わる。確定してよいのは、言われていたほどの大赤字ではなさそうだ、というところまでではないか。だから、黒字確定には疑問符が残ります。

販売数の中身にも、別の見方があります。4月と5月に通期パスがよく売れていたため、その時点で会場にいる人の多くはすでにパスを持っていて、新規には売れていないのではないか。報道の対象は来場者数ではなく、チケットの販売数だという整理です。

一方で、安い団体向けチケットに偏っている可能性も出てきました。こちらは、あくまで可能性として残した話です。

1-2. 反対の見出しが薄れ、賞賛が前に出る

次に話題になったのは、開幕前後で変わった報道の空気でした。

年明け前後には、反万博の動きが目立っていたとしばっちは振り返ります。ガスが出た。こんなことをしていいのか。万博を中止しろ。ミャクミャクは気持ち悪い。そうした声が聞こえていたのに、始まってからは様子が変わりました。

中止を言っていた人たちの声は聞こえにくくなり、ミャクミャクは人気になっている。ミーティング相手のネイルがミャクミャクだった、という話まで出ました。

過去の反対報道は、あとから検索してもあまり出てこない。埋もれたのか、消えたのか。しばっちはどちらとも言い切らず、ニュースは流れていく、と置きました。

手元に置いたのは、4月頃の記事2本です。人がすでに多かった時点で、やっていいのではないかという意見が増えている、という内容だったといいます。開始までは反対ばかり聞こえ、始まる頃に賛成が混ざり、8月下旬には賛成ばかりに聞こえる。その並びを、今回は追いました。

そこから出てきたのが、メディアのマッチポンプではないかという見立てです。前評判を叩いた方がPVは取れる。賛否が割れたあと、その悪さを使って賞賛寄りの記事を当て、次の記事へつなぐ。書いた本人は賛成も反対も本気だったかもしれませんが、編成側はどちらでも盛り上がった方がよい。営利の組織だから、という説明です。

盛り上がったなら大成功で、見ている側は手のひらの上だった。しばっちは、そんなふうにも話しました。

「我々は踊らされただけですよ。手のひらの上ですよ」(しばっち)

やってよかったかどうかはまだわからない。いや、ここまで来たら大成功ではないか。そんな応酬も、同じ回にあります。

1800万枚のあとに気になる黒字確定と、自分は行くのかという問いは、別々に考えた方がよさそうです。

1-3. 記憶に残った館と、もう一度行くときの金額

報道の印象だけでなく、実際に会場へ行ったときの感覚も振り返りました。会場へ行った時期については、4月に行った、5月に行ったという両方の発言があります。

中学生の子どもは、それなりに楽しそうだった。ただ、小学校3〜4年生くらいなら、もっと楽しめたのではないか。大人が行きたい場所と、子どもが行きたい場所は違い、そのごった煮が万博なのだという感想です。

全部は回れなかったという前提で名前が挙がったのは、ドイツ館、シンガポール、日本館でした。ドイツ館は予約なしで入れて、ちょうどよかった。日本館は、館内を見るだけで45分ほどかかり、後半は腰が痛くなったといいます。

並びが5時間半になったという話には、意味がわからない、それならイタリア館では、という突っ込みが入りました。住友館は良いらしい、という話も出ましたが、これは伝聞で、自分たちが見た体験として語られたものではありません。

人気の薄い展示やコモンズでは、国ごとの取り組みの違いと、予算をかけた館との差が見えた。そんな振り返りもありました。

建物として会話が戻ったのは、大屋根リングです。しばっちは、4月に行ったときに一番よかった館を聞かれても、特定の館はこれといって挙げませんでした。ただ、リングそのものにはインパクトがある。日陰で休めるので、作ったのは結果として正解だった、という話です。

日向で待ち続けることがほとんどない。木材なので、一部を残してあとは再利用する。万博がサステナビリティにうるさいこともあり、ほかのパビリオンでも資材をそのまま再利用する動きがある、と触れています。

もう一度行くかとあらかわに聞かれたしばっちは、家族で行くことになるかもしれないと答えました。予約はもう取れないので、ピクニックに行くぐらいの覚悟が要る。

入場料だけで、家族3人なら7000円、7000円、5000円で2万円くらい。船は片道3000円、往復で6000円ほどです。いちばん安くて早いのは地下鉄とJRではないか。西ゲートの方が空いている、バスがよいのではないか。そんな移動の話も出てきました。

このまま自分の記憶だけで終わるのは悔しい。もう一度行くかどうかには、そんな気持ちも残っています。

1-4. 報道で色がついてからでは、行けなくなる

しばっちがこのテーマで残したのは、黒字の計算そのものではありません。

万博に限らず、報道が始まる前から見過ぎると、ネガティブなイメージに染まる。反対と言っているうちに、楽しそうなものへ行けなくなる。あとから手のひらを返すことになる。

報道がどう流れても、自分の目で見て、考えて、行動する方が大事ではないか。公式サイトも見てほしい。しばっちは、そう案内して万博の話を閉じました。


2. 自分へのダメ出しをAIに預ける

後半は、他人には言えるのに自分の仕事では止まってしまう指摘を、どう前へ進めるかという話です。

2-1. 人には言えることが、自分のサイトだと止まる

あらかわは最初に、技術論ではなくメンタルの話だと切り出しました。他人には指摘できるのに、自分のことになると後回しになる。しばっちも、そこは同じだと受けています。

あらかわは、助言やコンサルを仕事にしています。同時に、自社でも物を作って売っている。直した方がいいと分かっていて、ほかの会社にはこうした方がいいと言えるのに、自分の番になると手が止まる。

物販にはスタッフがいるので、意見を聞き、自分だけで抱えないようにもしています。4月頃からは、サイトを送るとアドバイスが返ってくるオンラインのサービスにも入りました。

どう売るかについての指摘は、スタッフにそのまま渡せる。ところが、自社サイトへ自分で落とし込む段になると、止まりやすい。ここに、今回の話の出発点があります。

2-2. 音声のダメ出しを、URLと一緒に渡す

番組では、音声でもらった指摘を書き起こしたものを見ながら話が進みました。

ターゲットがぶれている。テキストの説明が足りない。ストーリーの文章量が少ない。トップページが、何を言っているのかわからない。お客さんの動線が分かりにくい。商品名は、意味の取れないカタカナではなく、日本語を入れた方がいい。ストーリーやアバウトが見られていないのは、ブランドのやり方が伝わっていないからではないか。

聞いて、しょんぼりする。同時に、自分はできているのかとも言いたくなる。あらかわは、しょんぼりするために入っているのだから、それでよいと置きました。

3連休があった。今やらないと、またやらない。一個ずつ自分でやり直すと気が重いので、最初からAIへ渡します。自分のURL、リニューアルしたいこと、もらった指摘、使いたいテーマ。参考にしたいサイトも添えて、あとは任せるという渡し方です。

返ってきたのは、検索したうえでのリニューアル案でした。ここでこうする、という企画書の形になり、そこへ、もっとこうしたいと返す。カテゴリーを考えてもらい、ダミーサイトの形まで進みました。

しばっちからは、旧サイトと新しい案で、どちらが売れるかA/Bテストをすればいいという提案が出ています。あらかわは、そこが本題ではないと返しました。

人間に指摘された内容をAIへ落とし、違う、違うと返していく。その往復で、自分の納得に近づいていく。

「自分が怒られてるんじゃない。AIが怒られてるんや、ぐらいの気持ちでやるとメンタルが楽」(あらかわ)

指摘を頼んだのは自分です。改善したいし、売上も上げたい。それでも、やってきたことをダメ出しされるのはきつい。その前提があるからこそ、AIを一度間に置く意味が出てきます。

2-3. 直したのは、ふわっとした言葉とページの置き場所

お盆の期間に、サイトはすでに直したとあらかわは話しました。「りゅんかわ」で検索すると出てくる、と案内しています。

トップには具体性を持たせるよう言われていました。長く使っていた「軽やかに暮らしを彩る」は、ふわっとしていて伝わらないと指摘されたコピーです。そこを「紙のような薄さ」に寄せました。

カテゴリーを作り、その先に商品が並ぶようにした。商品名も変えています。物販なら、最初に日本語の説明を入れた方が、何を売っているか分かるからです。

ブランドの説明も、ページの流れの中へ置きました。下の方には、なぜこの革を使うのか、それによって何がよいのかという文章があります。このあたりはAIの文章だと分かる雰囲気が残る、とあらかわ自身も話しています。

ニュースを置き、これまで別ページだったストーリーをトップへまとめた。ランディングページのように寄せた、という説明です。購入しやすくするための表示も、その流れに入れました。

2日で進んだのは、ほぼAIの力だといいます。コピペの実装は自分でやった。先に、指摘を受けてこうしたいというビジョンを作り、参考サイトも用意して、全体の枠組みを作らせました。

ウェブサイトは文字と画像と機能でできていて、文字と画像が命だという言い方もしています。画像は撮るしかない。文字は、いったんAIに投げる。

商品ページには「こんな方におすすめ」を足しました。こういう人にも売りたい、みんなに買ってほしいという葛藤はあったものの、恥ずかしさや、ちょっと変だという感覚はいったん横へ置きます。

商品の特徴を渡してペルソナを出させ、20個ほど出てきた中から自分で選んで貼った。短時間で直すための割り切りです。

企画をまとめて壁打ちしたのはGenspark。コードまで書かせると冗長だったので、コードはClaudeに書かせた、とあらかわは話しました。画面を追った手順まではこの回で展開しておらず、知りたい人はまた聞いてほしい、というところで止まっています。

2-4. AIは、かばわなくてよい相手として使う

あらかわが話したかったのは、AIにどこまで作らせられるかではありません。指摘を受けるとき、自分が怒られているのではなく、AIが怒られていると一度ずらす。そのことで、AIがそう言っているからこの案で進める、と自分に説明できます。

スタッフに同じことを頼むと、その人をかばいたくなる。上から指摘されれば、間に入って喧嘩にもなる。スタッフの意見と、こっちがいい、あっちがいいとぶつかり、曲げない相手もいる。

AI相手なら、その喧嘩は起きません。

「すごくいいものができるかどうかは別問題かもしれないんですけど、気持ちは楽」(あらかわ)

出来の保証とは分けたうえで、メンタルの置き方としてAIをこう使ってもよいのではないか。あらかわが伝えたかったのは、そこでした。


エピソードの総括

今回の話を仕事に持ち帰るなら、数字と見出しをそのまま結論にせず、何を数えた数字なのか、いつの報道なのか、自分は実際に何を見たのかを分けて考えることです。万博の1800万枚は、番組では計画上の黒字ラインとして語られ、黒字確定とは置いていません。反対報道が見つけにくくなったことも、消されたとは断定していません。

もう一つは、指摘を自分ひとりで抱え込まないことです。URLと課題、参考にしたいサイトをAIへ渡して、リニューアルの案や文章のたたき台を作ってもらう。そこから違うところを返し、採用するものを自分で選ぶ。AIに任せるのは、判断そのものではなく、判断するための下準備です。

万博へもう一度行くなら、予約が取れないことを前提にしたピクニック。家族3人の入場料は2万円くらいで、船なら往復6000円ほど。サイトの改善では、文字はAI、画像とコピペは自分。出来の良し悪しと、作業を進めるときの気持ちの楽さは別に考えます。

おすすめのパビリオンがあればコメントで教えてほしい、公式サイトも見てほしいという案内が、万博の話にはあります。サイト修正の画面手順は今回は詳しく扱わず、知りたい人はまた聞いてほしい、というところで終わりました。


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monotips stationは、ビジネスの小ワザを紹介するWEBマガジン「monotips」から生まれたPodcastです。編集長のあらかわと副編集長のしばっちが、毎週ビジネスに役立つTIPSを紹介しています。

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