MonotipsStation · #278

monotips station vol.278 iPhoneAirを買って到着を待っているので期待を語るTips /  データはもう、PCのローカルに保存する時代ではないということを改めて感じたTips

iPhone Airへの乗り換え理由と、PCトラブルで実感したクラウド保存の重要性を語る回。「機能より体験」「ローカルよりクラウド」という選択の判断軸を紹介する。

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iPhone Airは「機能」でなく「体験」で選ぶ|monotips station 第278回

イントロダクション

収録日は2025年9月22日(月)、放送予定日9月24日のmonotips station 第278回。連休明けの振替収録で、あらかわとしばっちの健康診断トークから始まる今回も、実務ネタ2本立てです。

あらかわパートは、「iPhone Airを買って到着を待っているので期待を語るTips」。9月恒例のiPhone新モデル発表を入り口に、いったんは無印モデルを予約していたあらかわが、直前でAirへ乗り換えた理由を語ります。

しばっちパートは、「データはもう、PCのローカルに保存する時代ではないということを改めて感じたTips」。休日に起きたパソコンのログイン不能事件をきっかけに、この20年で仕事道具がどれだけクラウド前提になったかを振り返ります。

新しい端末を選ぶときの基準にも、日々のデータ管理にも、共通しているのは「何を手元に置き、何を手放すか」という判断です。今日はその線引きのヒントをお届けします。


1. iPhone Airを買って到着を待っているので期待を語るTips

1-1. 「過去最高の無難モデル」をあえて外した

2025年9月に発表されたiPhoneの新モデルは、iPhone 17、iPhone Air、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Maxの4機種。Airだけが「17」というナンバリングから外れた特別枠として登場しました。

あらかわは当初、無印のiPhone 17を予約していました。前年のProモデルが持っていた機能のほとんどを望遠カメラ以外そのまま引き継いでいるとされ、周囲でも「過去最高の名機」と評判だったからです。3年間使い続けた14Proからの買い替えとしては、これで十分な妥協点のはずでした。

ところが発売日に立ち寄った店舗でAirの実機モックに触れたことで、状況が一変します。予約していた無印の到着が少し遅れていたこともあり、あらかわはその場でキャンセルし、Airへ乗り換えました。

「妥協点は全部自分が体を合わせればなんとかなるかな」(あらかわ)

映像出力がない、望遠カメラがない、といったAirの弱点は承知の上で、それでも「久しぶりに手に持った瞬間のおおっという感覚」を選んだという判断です。

1-2. 薄さ・軽さは「機能」ではなく「体験」を買っている

Airの特徴は薄い本体と、無印とほぼ変わらない重さです。ボディが薄くなることで持ったときの親指の可動域が広がり、文字入力がしやすくなるという声もあります。

あらかわが自分のスマホの使い方を振り返ると、一番長く使っているのはAIへの指示出しや、Notion・活動記録の閲覧、動画視聴でした。動画撮影はGoProで済ませており、望遠カメラや高負荷な映像制作を担うProシリーズの強みは、自分の用途では出番が少ないという結論に至ります。

ここであらかわが着目したのが、番組内で紹介した次の整理です。

「従来のプロシリーズは機能の最大化を追求していた。でもiPhone Airは体験の最大化にフォーカスしている」(あらかわ)

ほとんどのユーザーはProシリーズの機能のうち2〜3割しか使いこなせていないのではないか、という見立てです。だとすれば、フル機能を積み増すより、薄さや軽さといった「持ったときの気持ちよさ」を優先したプレミアムモデルの方が、多くの人にとって現実的な選択になります。Airだけフレームにチタンを残しているのも、機能ではなく所有感を支えるための設計だとあらかわは見ています。

1-3. 「体験の最大化」を自分のビジネスに応用する3ステップ

このAirの設計思想は、モノやサービスを売る側にもそのまま応用できます。あらかわが番組内で示したのは、次の3つの見直しです。

まず、体験マップの作り直し。自社の商品やサービスが使われる場面をすべて書き出し、機能ではなく感情に注目して、どこで顧客が最もストレスを感じ、どこで最も満足しているかを洗い出す作業です。あらかわ自身、最近手がけた案件で「お客さんは全部やってほしかったのではなく、一緒に作ってほしかったのではないか」と気づき、過剰なフルサービスを見直したエピソードを紹介しました。作業を全部巻き取るより、あえて引き算をして「ここまでしかやりません」と示す方が、満足度が高くなることもあります。

次に、プロダクトポートフォリオの再設計。値段別に商品を並べるのではなく、「お客さんがどんな場面で何のために使うか」という用途軸で並べ替える発想です。あらかわが手がける革小物ブランドでは、以前は商品名をそのまま並べていたサイト構成を、「これは名刺入れです」「これは一本差しのペンシースです」というように、用途の説明を先に置く形へ変更したところ、伝わり方が変わったといいます。

最後に、新しい使用シーンの探索。想定していたユーザー層とは違う人が、思いがけない使い方をしているケースを見つけ、そこから逆算して新しい価値提案を作る視点です。

薄くて軽いという一点に体験を絞り込んだAirのように、機能を積み増す発想から一度離れ、「その商品が最も気持ちよく使われる瞬間はどこか」を問い直すことが、価格競争から抜け出すヒントになります。


2. データはもう、PCのローカルに保存する時代ではないということを改めて感じたTips

2-1. 休日に起きた「パソコンにログインできない」事件

しばっちは独立して8年目、これまで大きなトラブルなく仕事道具を使ってきました。ところが収録前日、パソコンの操作を誤ったことがきっかけで、ログイン自体ができない状態に陥ってしまいます。

復旧の見込みが立たず、最終的に選んだのは工場出荷時の状態に戻し、ユーザーアカウントを作り直すという方法でした。データが吹き飛ぶ前提の、かなり思い切った対処です。

このとき助けになったのが、業務データのほとんどをクラウドに置いていたという事実でした。作り直したユーザーでNotionやGoogle系のサービス、業務用ソフトにログインし直すだけで、大きな実害を免れています。

2-2. 20年前は「PCの入れ替え」自体が一大事だった

しばっちとあらかわは、この経験を約20年前のPC事情と比較しています。社会人になりたての頃は、パソコンの入れ替えだけで丸一日かかることも珍しくなく、業務アプリケーションはCDやフロッピーディスクからインストールするのが当たり前でした。会社のイントラネットに接続してファイルを扱うことはあっても、今のような「クラウドで完結する」働き方とは大きく違います。

いま、しばっちのパソコンに残っていたローカルインストールのソフトは、Adobe系や動画編集ソフトのDaVinci Resolveなど、ごく一部に限られていました。Excelやワードのような定番ソフトも、多くはクラウド経由でダウンロードし直せる状態です。LINEやChrome、日常のブラウザ経由のサービス群を入れ直せば、業務は数時間で元通りになりました。

「インストールディスクを探す」から「ダウンロードし直す」への変化は、当たり前になった今だからこそ見過ごされがちですが、20年前の感覚からすればまぎれもない革命です。

2-3. それでも油断できない、クラウド一辺倒のリスク

一方で、しばっちとあらかわは「クラウドさえあれば安心」と単純化しすぎることにも注意を促しています。しばっちの知人は、外付けSSDを誤ってフォーマットしてしまい、人事評価資料や顧客情報を失いかけたといいます。SSDはハードディスク以上にデータ復旧が難しく、業務に直結する情報ほど、ローカル保存だけに頼るリスクは大きいという実例です。

自然災害への備えという観点でも、クラウド保存には利点があります。自宅にNAS(ネットワーク対応ストレージ)を構築していても、水害などで機器そのものが失われれば元も子もありません。近年増えている豪雨被害を思えば、水没リスクは決して他人事ではないという指摘です。

もちろん「ネットに繋がらなくなったらクラウドも使えない」という反論もあり得ますが、通信インフラが止まるほどの事態であれば、そもそも業務自体が止まっている可能性が高いという整理で、この議論は着地しています。

「データをローカルにだけ保存している人は、もう直ちに何か対策をしましょう」(しばっち)

自分たちの会社や個人事業のように、専任の情報システム担当がいない規模ほど、「バックアップを取らなきゃと思いつつ後回しにする」状態に陥りがちです。今回のしばっちのケースは、その備えが機能した好例だったと言えます。


エピソードの総括

今回の学びとポイント

今回の2テーマに共通するのは、「手元に何を残し、何を手放すか」という判断の質です。

押さえておきたいポイント

  • iPhone Airは、機能を積み増す発想ではなく、薄さ・軽さという「体験」に振り切ったモデルとして選ばれた
  • 自社の商品・サービスも、体験マップの作り直し・用途軸での再分配・新しい使用シーンの探索という3ステップで見直せる
  • クラウドを前提に業務データを置いておけば、パソコン本体のトラブルからの復旧は驚くほど早くなる
  • それでもローカルの外付けメディアだけに頼るデータ保存や、自然災害によるリスクへの備えは油断できない

あらかわ・しばっちからのメッセージ

新しい端末を選ぶときも、日々のデータを置く場所を選ぶときも、「なんとなく」で決めていることは案外多いものです。今回の2つの体験談は、その判断基準を一度言語化してみる良いきっかけになりました。

次のステップ

自社の商品やサービスについて、機能一覧ではなく「どんな場面で、どんな気持ちで使われているか」を書き出してみてください。あわせて、自分の業務データが今どこに保存されているか、ローカルだけに置いたままのファイルがないか、この機会に一度棚卸ししてみるのもおすすめです。


monotips stationについて

monotips stationは、ビジネスの小ワザを紹介するWEBマガジン「monotips」から生まれたPodcastです。編集長のあらかわと副編集長のしばっちが、毎週ビジネスに役立つTipsを紹介しています。

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