MonotipsStation · #334

ロサンゼルス文具展示会で見えた治安・物価・売り方のリアルと次の一手|monotips station 第334回

ロサンゼルス文具展示会の渡航・治安・物価のリアルと、黒字でも次を迷う海外展開の判断軸を、あらかわの体験から読み解く回。

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ロサンゼルス文具展示会で見えた治安・物価・売り方のリアルと次の一手|monotips station 第334回

イントロダクション

2026年10月21日放送のmonotips station 第334回は、収録当日にそのまま配信する「取って出し」回です。今回はしばっちのテーマを来週に持ち越し、あらかわが単独で、アメリカ・ロサンゼルスで開催された文具の展示会「BunguLA」への出張を振り返ります。

出張中にはドジャースの試合の話題に触れる機会もあり、現地の熱気を感じたそうです。

本編では、渡航の実務(レンタカー・配車サービス・決済)、治安に対する実感、現地で売れたもの・売れなかったものと物価感覚、そして黒字でも「また行くか」を迷う理由まで、海外展示会に挑戦する際の判断材料を、あらかわの体験から読み解いていきます。海外でのビジネス展開や出張を考えている人にとって、具体的な数字と体感が詰まった回です。


1. 渡航のリアル:レンタカー・Uber・決済の工夫

1-1. ロサンゼルスは「大阪〜神戸」がいくつも連なる街

ロサンゼルスは想像以上に広く、どのエリアに行くにも車移動が前提になる街だと、あらかわは体感したといいます。「大阪から神戸ぐらいの距離感で、バーっと広がってるような街」というたとえの通り、ドジャースの球場があるエリアも、ビーチで有名なサンタモニカも、車で30〜40分ほど離れた別のエリアとして点在しているとのことです。しばっちが北海道のような広さをイメージしたのに対し、あらかわ自身も「帰ってきて北海道行きたいなと思った」というほど、スケール感の違いが印象に残ったようです。

1-2. 今回のレンタカー利用で用意した書類

現地ではレンタカーを利用しました。今回は日本の運転免許証に添える書類をレンタカー会社に発行してもらった、とあらかわは振り返ります。これは今回の利用体験であり、渡航先や利用する会社によって必要書類は異なります。

「レンタカー会社がこの人は大丈夫ですよってのを発行してくれる書類があるんですよね」(あらかわ)

今回はハーツレンタカーでこの書類を発行してもらい、直前に仕入れた情報をもとに2泊120ドルほど(2万円弱)でレンタカーを確保。一方、タクシー代わりに使われがちな配車サービスは、1エリア移動するごとに50ドル(約7500円)前後かかることもあり、「チャリンチャリン課金される」感覚だったとあらかわは振り返ります。

1-3. 決済は国内の「当たり前」が通用しない

決済では、今回はStripeを使い、スマートフォンでApple Payなどを受け付けたそうです。日本で利用しているSquareなどのサービスを海外出店でも同じ条件で使えるとは限らず、利用国や契約条件の確認が必要になります。

1-4. 地味な事前準備が渡航をスムーズにする

渡航準備ではESTA(電子渡航認証)を申請し、入国時にはMPC(Mobile Passport Control)も利用したと話しています。今回はその準備が役立ったという体験談です。いずれも利用条件があり、誰でも登録だけで入国できるという意味ではありません。


2. 「治安が悪い」は本当か ― エリアで分かれるロサンゼルスの素顔

2-1. YouTubeで見る二極化したロサンゼルス像

渡航前、周囲から「治安が相当悪いんじゃないか」と心配されたというあらかわ。事前にYouTubeで情報収集すると、ディズニーやユニバーサル、ビバリーヒルズを回って「楽しかった」で終わるセレブ系の動画と、スラム街を歩いて「この街は終わりだ」と語る動画の、ちょうど両極端な内容ばかりが出てきたといいます。

2-2. 一本の高速道路が引く境界線

実際に滞在してみると、両方の顔が存在するのは事実だった、とあらかわは言います。ただし危険とされるエリアが街なかに溶け込んでいるわけではなく、どの道からどちらへ行くと危ないかが、はっきりと分かれているとのことです。

「エリア分けがカパッとされてるんですよ……お互い住み分けてる感じですね」(あらかわ)

空港近くの宿泊エリアでも、高速道路を一本挟んだ先は雰囲気が変わる場所があり、メキシコ料理店へ歩いて向かう途中、様子の違う人を見かけて引き返したというエピソードも語られました。

「ゾンビみたいな歩いてる人がいて、『あかんあかん帰ろう』って引き返したりとかね」(あらかわ)

2-3. 大阪の感覚に置き換えて考える

あらかわはこの感覚を、大阪や東京にも「近づかない方がいいエリア」があるのと同じだと説明します。どの都市にも避けたほうがよい場所はあり、ロサンゼルスだけが特別に物騒というより、事前に境界線を把握しておけば過度に恐れる必要はない、というのが現地を歩いた実感のようです。一方で、宿泊エリアは夜でもジョギングや散歩をする人がいるほど穏やかで、「平和」と感じる場所もしっかり存在していたといいます。


3. 売れたもの・売れなかったものから見えた現地の「かわいい」基準

3-1. BunguLAで感じた「共通言語」

出展した「BunguLA」は、来場者の多くが文具という商品そのものへの理解を共有しているイベントだったと、あらかわは手応えを語ります。あらかわの体感では3日間で5000人ほどの来場があったとのことで、賑わいも相当なものだったようです。ヒスパニック系をはじめ人種は多様でしたが、商品の使い方を説明すれば「なるほど」と理解してもらえる場面が多く、西海岸らしい多様性も含めて話がしやすかったとのこと。干支(エト)にまつわるグッズを持ち込んだ際、アメリカでは伝わらないだろうという予想に反して、ほとんどの来場者が干支を知っていたことにも驚いたといいます。

「キュートがクールよりキュートなんだ」(しばっち)

かわいい系の商品が好まれる傾向を、しばっちはこう表現しました。普段は革小物などメンズ寄りの商品を中心に出展することが多いあらかわですが、今回はかわいい系の商品も合わせて持ち込み、両方を揃えたことが結果的に良かったと振り返っています。

3-2. まさかの名刺入れ、まさかの「箱いらず」

意外な売れ筋になったのが名刺入れでした。アメリカでは名刺文化があまり根付いていないイメージがあっただけに、あらかわ自身も「え、名刺入れ? いるんや」と驚いたそうです。

もう一つの発見が、パッケージを求めない来場者の多さです。1万円ほどのペンケースが売り切れ間際になった際、箱なしのサンプル品のままでよいか尋ねると、「いらない、いらない、このままでいいわ」と快く応じる客が複数いたといいます。この話を聞いたしばっちも、靴を買うときは箱なし派だと共感していました。

3-3. 物価の実感 ― 「1000円の商品」が2.5倍になる理由

現地の物価については、外食の高さが印象的だったとあらかわは語ります。喫茶店でBLTサンドイッチとコーヒーだけ頼んでも14ドル(約2200円)、夜に軽く飲めば1万円近くかかることも珍しくないそうです。外食が高い分、現地の人は自炊を選ぶことも多く、トレーダージョーズのようなオリジナル商品を扱うスーパーが重宝されている様子も紹介されました。

国内で1000円の商品を現地では16ドル(日本円で約2500円)で販売していたそうで、単純計算で2.5倍ほどの価格になる計算です。空港内ではパン1個が8ドルすることもあり、「空港の中の物価が狂ってる」とあらかわは苦笑していました。


4. 黒字でも「もう一度行くか」迷う理由

4-1. 目標の8割・黒字達成でも、フライトの負担は大きい

3日間の展示会の結果は、目標の8割ほどの売上ながら、移動費・滞在費を含めてもきちんと黒字になったとのこと。しばっちは「黒字ならもう一回やろうとなりやすいのでは」と指摘しますが、あらかわの感覚は少し違います。行き9時間・帰り11時間というフライトの負担を考えると、トントン程度の収支では「もう一回行くかどうか」を即答しにくい、というのが本音のようです。

4-2. 卸・ディストリビューター・越境ECという3つの選択肢

今回のイベント出展を踏まえ、あらかわは今後の展開として複数の選択肢を検討しています。現地のディストリビューターを探して卸売りで継続的な売上を作る方法、イベント出展を重ねて現地のファンを育てる方法、そしてニューヨークやサンフランシスコなど別都市のイベントに出展する方法です。ロサンゼルスからサンフランシスコまでは同じ西海岸でも想像以上に距離があり、単純に「近いから行きやすい」とは言えない点も付け加えていました。

また、現地で販売した価格の高さについては「見ている人からすれば安く見える」ことも理解したうえで、送料や通関の手間を考えれば現地価格もやむを得ない、という納得感があったようです。一方で、現地で商品を知ってもらった後に日本から直接購入してもらえるよう、越境ECの入り口を整えておく必要性も今回の気づきとして挙げていました。

4-3. 「人生経験」としての価値

収支だけで見れば判断の難しい今回の出張ですが、イベント単体の売上としては過去最高を記録したとのこと。あらかわは、海外イベントへの挑戦は商売の数字だけでなく、人生経験や考え方の広がりという意味でも価値が大きかったと振り返ります。

「かなり人生が変わるんですよ。人生経験にもなるし、考え方も深まった」(あらかわ)


エピソードの総括

今回の学びとポイント

今回の出張話から見えてきたのは、「海外挑戦は怖がりすぎても、楽観視しすぎてもいけない」というバランス感覚です。治安も物価も商売のやり方も、現地のルールや実情を一つずつ押さえていくことで、過度な不安を減らしながら挑戦できることがわかります。

押さえておきたいポイント

  • レンタカーは国際免許がなくても、レンタカー会社発行の書類で借りられるケースがある
  • 治安は「エリアで明確に分かれる」ため、境界線を把握しておけば過度に恐れる必要はない
  • 現地では名刺入れなど意外な商品が売れ、パッケージを求めない客も多い
  • 黒字でも長時間フライトの負担を踏まえ、次の出店先や売り方(卸・越境EC)を冷静に検討する価値がある

あらかわ・しばっちからのメッセージ

今回はあらかわの単独テーマでしたが、しばっちも終始「それって実際どうなんですか?」と素朴な疑問を投げかけながら話を引き出す役回りでした。海外経験がまだないしばっちに向けて、あらかわは「韓国、台湾あたりなら全然余裕」と後押しし、2027年にどこかの国へ行くことを目標に立ててはどうかと提案しています。

次のステップ

海外での展示会出展や出張を検討している人は、まず「移動(レンタカーや配車サービス)」「決済」「治安エリアの事前確認」の3点を調べておくと、今回のような実務的なつまずきを減らせそうです。しばっちのテーマは来週の放送で取り上げられる予定なので、合わせてチェックしてみてください。


monotips stationについて

monotips stationは、ビジネスの小ワザを紹介するWEBマガジン「monotips」から生まれたPodcastです。編集長のあらかわと副編集長のしばっちが、毎週ビジネスに役立つTipsを紹介しています。

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