monotips station vol.281 小学生向けのイベントを企画して感じたことについてのTips / メインのタブレット端末をiPadからSurface入れ替えたTIPS
第281回。市政100周年イベント「みやしる」予約を人気化させる仕込みと、iPad Proの重さに見切りをつけ中古Surfaceへ乗り換えた実務Tips。

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予約を埋めて人気イベントに、iPadを卒業してSurfaceへ|monotips station 第281回
イントロダクション
2025年10月半ば収録のmonotips station第281回。今回もあらかわとしばっちの実務ネタ2本立てです。
しばっちパートは、西宮商工会議所青年部が主催する小学生向け仕事体験イベント「みやしる」の企画運営から得た気づき。予約を早く埋めることが、なぜ単なる事務作業ではなく「人気イベントに見せる仕込み」になるのか、その裏側を語ります。
あらかわパートは、長年愛用してきたiPad Proから、中古のSurfaceへとメイン端末を乗り換えた話。動作が重くなったことをきっかけに、当たり前のように続けていたリモートデスクトップ運用そのものを疑い直したプロセスが軸になっています。
イベントを企画する立場の人にも、モバイル端末の買い替えを迷っている人にも、今日から使える視点をお届けします。
1. 小学生向けイベント「みやしる」を人気化させる予約の仕込み
1-1. 地元版キッザニアを、商工会議所青年部が手作りする
「みやしる」は、西宮市政100周年記念事業として西宮商工会議所青年部が主催するイベントです。西宮市やその近隣で事業を営む青年部メンバーが、自分の仕事を子どもたちに紹介し、実際に体験してもらう場をつくります。
しばっちは今回、担当副会長としてこの企画そのものを主催する立場です。お仕事体験ブースは16あり、そのうち半分の8ブースを事前予約制にしています。キッチンカーが9台出店するほか、クイズラリーも用意し、将来の夢を絵馬に書いて渡すと商品がもらえる仕掛けもあります。書いた絵馬は後日、会場の目印の横に飾られるそうです。
単なる「仕事体験の場」にとどめず、食べる・遊ぶ・書く、という複数の楽しみ方を重ねているのが、このイベント設計の特徴です。
1-2. 予約を早く埋めることが、なぜ「人気イベント」の演出になるのか
しばっちが今回のテーマで一番伝えたかったのが、事前予約枠を早めに埋めることの二重の効果です。
1つ目は、来場希望者への効果です。予約枠がどんどん埋まっていくと、「早くしないと入れなくなる」という空気が生まれ、それがさらに予約を後押しします。万博のパビリオンが「埋まっているからこそ行きたくなる」のと同じ構造だと、しばっちは指摘します。
2つ目は、出展する側への効果です。事前予約の埋まり方には、ブースによって早く満席になるところと、なかなか埋まらないところの差が出ます。埋まりにくいブースを担当するメンバーは寂しい思いをしつつも、それでも一生懸命埋めようと動くことで、結果的にモチベーションが上がっていくといいます。
人気・不人気の差そのものはなくならなくても、「早く埋まる仕組みをどう作るか」を工夫することが、来場者と出展者の両方の熱量を底上げする、というのがこのパートの核心です。
1-3. 告知は子どもではなく、保護者に向けて打つ
もう一つ、しばっちが強く意識しているのが、告知の宛先です。イベントの主役は小学生ですが、告知そのものは保護者向けに設計する必要がある、としばっちは言います。
子どもだけに向けたチラシでは、徒歩で来られる範囲の子どもにしか届きません。遠方から連れてきてもらうには、「連れて行きたい」と保護者に思ってもらう必要があります。チラシは一見子ども向けに見えても、実際に持ち帰って読むのは親であることを前提に準備しなければいけません。
この視点は、対象読者と告知先が必ずしも一致しないイベント全般に応用できる考え方です。
2. 応援してくれる「味方」をどれだけ増やせるか
2-1. チラシ配布は、一人ではとても回らない
チラシを配る、掲示してもらう、といった地道な広報活動は、しばっち一人ではとても手が回りません。そこで欠かせないのが、応援してくれる協力者をどれだけ増やせるかという発想です。
「チラシを配るのも一人では絶対に無理なので、協力して配ってくれる人をどれだけ増やせるかが大事なんです」(しばっち)
この話を聞いたあらかわが「選挙運動みたいですね」と例えたように、地域に協力者のネットワークを広げていく動きは、まさに草の根の広報活動そのものです。
2-2. 「無料掲示」を成立させる理由づけ
掲示場所を増やす交渉では、JR各駅や阪神各駅にチラシを置いてもらう約束を取り付けています。駅への掲示は本来、広告として扱われれば有料になる場合もありますが、「市政100周年を記念した地域のための行事である」という筋を通すことで、無料での掲示を実現しています。
単に「置かせてください」とお願いするのではなく、その行事がなぜ地域にとって意味があるのかを説明できるかどうかが、掲示を引き受けてもらえるかどうかの分かれ目になっています。
2-3. お店や知人にも、それぞれの理由で協力を仰ぐ
保護者が立ち寄りそうな飲食店や、しばっち自身の事務所にもチラシを置いています。効果の大小はあるものの、来店客の目に触れる場所を一つでも増やす狙いです。
さらに一番強力なのは、小学生の子どもがいる友人・知人への直接の声かけだといいます。「10月25日にみやしるというイベントがあるから、ホームページを見て早めに予約してね」と直接伝えることで、最初に紹介した「予約が埋まりかけている」という空気そのものを、身近な人から実感してもらえます。
3. 真夏の失敗談から学んだ、当日キャンセル枠という保険
3-1. 待たされる側の痛みを、主催側の設計に反映する
しばっちには、別の夏イベントで炎天下の中、長時間待たされた苦い経験があります。キッチンカーが来ているのに販売開始時間まで待たされ、結局途中で帰ってしまったという体験です。
この経験があるからこそ、「みやしる」では事前予約制を軸にしつつ、当日キャンセルが出た場合に当日来場者を入れられる仕組みも用意しています。何も知らずにふらっと立ち寄る人もいる前提で、受け皿を残しておくという発想です。
3-2. キッチンカーの選定にも、地域への目配りがある
キッチンカーの出店者選びでも、単に人気店を集めるのではなく、西宮で日頃頑張っているお店を優先しています。非常に人気が出そうな店をあえて呼ばないケースもあり、そこには「行列になりすぎて周りに影響してしまう」ことへの配慮があります。台湾フードやベトナム料理など内容が重ならないようにする気配りも、当日の混乱を防ぐための設計の一部です。
3-3. 目指すのは、関わった全員が「来年も」と思えること
しばっちがこのテーマで最後に語ったのは、出展者もキッチンカーも参加した子どもも家族も、そして企画したメンバー自身も、全員が満足できるイベントにしたいという思いです。
「ブースを出展した人も、キッチンカーを出した人も、参加した子どもにも来年また来たいと思ってほしいし、企画したメンバーとしても、大変やったけど面白かったなと思えるものにしたいんです」(しばっち)
継続できるイベントにするためには、労力をかけすぎずに満足度を上げる工夫が欠かせない、というのがこのパート全体を貫く結論です。
4. iPadの重さに見切りをつけ、中古Surfaceへ乗り換える
4-1. iOS26アップデートが、乗り換えのきっかけになった
あらかわは長年、iPad Pro 12.9インチをメインのモバイル端末として使ってきました。ノートパソコンも別に持っているものの、1.3kgほどあって出張時には重く感じ、1kgを切るiPadを選んで持ち歩いていたといいます。
そのiPadに、変化が訪れたのがiOS26へのアップデートでした。動作が明らかに重くなり、カクカクした挙動が目立つようになったことで、あらかわは「そろそろ潮時かもしれない」と感じ始めます。
4-2. 「iPadで頑張る」前提そのものを疑ってみる
最初はiPadの買い替え、それもM2やM4を積んだ新しいiPad Proへの乗り換えを検討していました。しかしそこで、あらかわはふと立ち止まります。
「そもそも何でiPadでわざわざリモートデスクトップを使ってWindowsにつなぐことを前提に、あれこれ考えてたんやろうって思ったんです」(あらかわ)
ExcelやGoogleスプレッドシートの挙動がブラウザ経由だとどこか不自然に感じることへの違和感も踏まえ、「軽いWindows端末を直接使えばいいのでは」という発想に切り替えたのが、今回の乗り換えの起点です。
4-3. メルカリで4万円、中古Surfaceという選択
あらかわには、以前Surface Laptop Goを使っていた経験がありました。軽量で気に入っていたものの、Core i3世代のスペックでは力不足になり手放した経緯があります。
今回はメルカリの中古市場を調べたところ、Surfaceの価格が大きく下がっていることに気づき、10世代のCore i7・メモリ16GB・ストレージ256GBの個体を4万円で購入しました。重さは1kgを切り、iPadにMagic Keyboardを付けた状態とほぼ同じ携行感です。新品で10万円ほどする構成が4万円で手に入った点も、選んだ決め手になっています。
4-4. リモートデスクトップなしで動く快適さ
実際に使い始めてからの感想は、想像以上だったといいます。
「圧倒的に使いやすくて、今まで何でiPadで無理してたんやろうって思うぐらいです」(あらかわ)
Windowsアプリがリモートデスクトップを介さずそのまま動くこと自体は当たり前の話ですが、その「当たり前」が今まで手元になかったことに、あらかわは改めて気づかされたと語っています。画面解像度も2736×1824と高精細で、表示品質にも不満はないとのことです。
5. Windowsならではの「かゆいところ」への対処法
5-1. タブレットモードの仕様に、レジストリで対抗する
Surfaceには、キーボードの脱着でタブレットモードとデスクトップモードが切り替わる仕様があります。Bluetoothキーボードとマウスを使っていると、意図せずタブレットモードのままになり、文字サイズだけが大きくなるという挙動に悩まされたそうです。
調べた結果、Windows 11では標準設定からこの切り替えができなくなっており、レジストリを書き換えて物理キーボードの接続状態を認識させるショートカットを自作することで対処しています。ファンクションキーの挙動についても、レジストリ側で自分の使いやすいように調整するのが、あらかわにとってはいつもの作業だといいます。
5-2. USキー配列へのこだわりも、乗り換えの一因に
あらかわは以前使っていたiPadがUSキーボードのみだった経験から、アットマークなどの配置がUS配列に体で馴染んでいます。今回のSurfaceも、購入時についていたJISキーボードではなく、USキーボードに置き換えて使っている点は、細かいようで日々の作業効率に直結する工夫です。
5-3. KindleとdマガジンはWindows版で試行錯誤中
一方で、まだ完全に置き換わっていない部分もあります。Windows版Kindleアプリはフォントがゴシックにならない、起動が遅いなど微妙な不具合があり、雑誌はブラウザで閲覧できるdマガジンで代用しているとのことです。アプリを増やしたくないという理由もあり、ブラウザで完結できるものは極力ブラウザで済ませる方針を取っています。
エピソードの総括
今回の学びとポイント
- 予約を早く埋める仕組みは、来場者への「人気イベント」の演出と、出展者側のモチベーション向上という二重の効果を生む
- イベント告知は、参加する子どもではなく、実際にチラシを読み判断する保護者に向けて設計する
- 広報は一人で完結させず、駅・店舗・知人など、それぞれ異なる理由づけで協力してくれる味方を増やしていく
- 過去の失敗(真夏に待たされた経験)を踏まえ、事前予約制と当日キャンセル枠を組み合わせてリスクに備える
- 端末の重さや動作の遅さへの不満は、買い替えではなく「そもそもの使い方の前提」を見直すきっかけにもなる
- 中古市場を活用すれば、必要なスペックの端末を大幅に安く手に入れられる場合がある
あらかわ・しばっちからのメッセージ
地域イベントの運営も、端末選びも、「今までこうだったから」を一度疑ってみることで見えてくるものがある回でした。仕組みを工夫して人を巻き込むこと、当たり前だと思っていた前提を見直すこと、どちらも規模は違えど同じ姿勢につながっています。
次のステップ
イベントや展示会の予約・告知を担当している人は、「誰に向けて告知しているか」を一度棚卸ししてみてください。また、使っている端末の動作にストレスを感じている人は、買い替え先を検討する前に、そもそもの使い方の前提から見直してみるのもおすすめです。
monotips stationについて
monotips stationは、ビジネスの小ワザを紹介するWEBマガジン「monotips」から生まれたPodcastです。編集長のあらかわと副編集長のしばっちが、毎週ビジネスに役立つTipsを紹介しています。
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