MonotipsStation · #321

monotips station vol.321

仕事を次に活かす感想戦と、展示会を販売計画に組み込む考え方を、実務目線で整理する回。

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仕事の感想戦と展示会設計|monotips station 第321回

イントロダクション

2026年7月22日放送のmonotips station 第321回は、しばっちの「ビジネスにも感想戦を」、あらかわの「展示会を販売計画に組み込む」という2本立てです。

感想戦というと、将棋やボードゲームのあとに「あの一手はどうだったのか」と話す時間を思い浮かべます。今回しばっちは、それを仕事にも持ち込めないかと提案しました。終わった案件、月ごとの行動計画、見積金額、提案のタイミング。振り返る対象は、実務の中にいくらでもあります。

一方のあらかわパートでは、展示会を単なる出展日ではなく、販売計画の中の大きな節目として捉え直します。商品を並べて名刺交換して終わりではなく、展示会前から勝負は始まっている。小規模事業者ほど効く、かなり実務的な話になりました。


1. ビジネスにも感想戦を。終わった仕事を次に活かす振り返り

1-1. 感想戦は「反省会」ではなく、次の一手を探す時間

しばっちが今回持ち込んだテーマは、ボードゲームや将棋でよくある感想戦を、ビジネスにも使おうというものです。

大事なのは、感想戦を「誰が悪かったか」を決める場にしないことです。ボードゲームでも、勝った人が偉そうに語り、負けた人を責めるだけなら楽しくありません。本来の感想戦は、あの場面で別の手はあったのか、なぜその選択をしたのか、次に同じ状況が来たらどう動くのかを一緒に考える時間です。

これは仕事でもかなりそのまま使えます。たとえば、見積金額が低すぎた案件。提案のタイミングが早すぎた商談。思ったより工数がかかった仕事。こうした出来事をただ「大変だった」で流すのではなく、次に同じ種類の案件が来たら何を変えるかまで整理する。そこまでやって、ようやく経験が資産になります。

1-2. 一人で振り返るより、誰かに説明する方が整理される

個人事業や小さな会社では、振り返りを一人でやりがちです。月末にノートを開いて、できたこと、できなかったこと、来月やることを書く。形としては正しいのですが、続かないことも多い。あらかわも「一人では無理ですよ」と率直に話していました。

しばっちは今年、毎月の行動計画を振り返る仕組みを作っています。さらに最近は、事務員さんに対して「今月はこうだった」と説明する時間を取るようになったそうです。相手が専門的なアドバイスをするわけではなくても、聞いてもらうだけで十分意味がある。なぜなら、説明するためには、自分の中で出来事を並べ直さないといけないからです。

「説明するために準備をするプロセスが大事なんじゃないかなと思ってます」(しばっち)

これはかなり実践しやすいTIPSです。コンサルタントに頼まなくても、共同経営者でなくても、信頼できる誰かに月1回聞いてもらうだけでいい。話しているうちに、言えているようで言えていなかったこと、まとまっているようでまとまっていなかったことが見えてきます。

1-3. 振り返るべきは「結果」だけではない

感想戦で見るべきなのは、売上が上がったか、案件が取れたかという結果だけではありません。むしろ、その前後にある判断の方が重要です。

しばっちは、自分の専門から少し外れた案件を自分でやるべきだったのか、他の人に振るべきだったのかを振り返ると話していました。見積金額が適正だったか、納品時にお客さんの反応を聞けたか、提案のタイミングは合っていたか。こうした細かい判断の積み重ねが、次の案件の品質を変えていきます。

特に印象的だったのは、タイミングの話です。お客さん側の準備が整っていないとき、すぐに仕事にはなりません。でも、そのタイミングで相談に乗り、知識を渡しておくと、条件が整ったときにもう一度来てもらいやすくなる。短期の受注だけを見ると損に見える行動も、長期で見れば見込み客との関係づくりになります。

感想戦は、過去を責めるためではなく、未来の判断精度を上げるためにあります。月次でも、案件ごとでも、展示会後でもいい。終わった瞬間に少しだけ立ち止まる仕組みを持つだけで、仕事の学習速度はかなり変わります。


2. 展示会は販売計画に組み込んで初めて成果になる

2-1. 展示会は「出る日」ではなく、締切を作る装置

あらかわのテーマは、展示会を販売計画に組み込むTIPSです。背景には、最近の展示会で見た出展者の動きがありました。

ある出展者は、展示会の少しあとに新商品を発売する流れを作り、事前の告知も重ねたうえで、展示会当日に大きく受注を伸ばしていたそうです。ポイントは、展示会当日にたまたま売れたのではないことです。小売店からのニーズを商品開発につなげ、発売日を決め、事前にPRし、展示会を受注の場として使った。つまり、展示会が販売計画の中にきちんと組み込まれていました。

「展示会って出展前から勝負決まってるんや、というのはほとんどかなと思う」(あらかわ)

小規模事業者は、日々の業務に追われると商品開発やPRが後回しになりがちです。だからこそ展示会のような日付の決まったイベントは、自分たちに締切を与える装置になります。そこに向けて何を作るのか、誰に知らせるのか、当日どんな反応を取りたいのか。ここまで決めて初めて、展示会は事業を前に進める節目になります。

2-2. ブースに来た人に「次に何をしてほしいか」を決めておく

展示会では、ブースを作り、商品を並べ、接客し、名刺交換をする。これは基本です。ただ、あらかわが強調していたのは、その先です。来場者に何をしてほしいのかを、申し込んだ時点で決めておく必要があるという話でした。

その場で注文してほしいのか。サンプルを渡したいのか。次の商談アポを取りたいのか。資料請求につなげたいのか。Webサイトでいえば、これはコンバージョン設計です。目的が曖昧なまま出展すると、興味を持ってくれた人がいても「また決まったら連絡します」で終わってしまいます。

良い商品を持っていくだけでは足りません。価格、受注方法、納期、資料、ディスプレイ、次回補充の流れまで準備しておく。特に小売店向けの商品では、商品単体ではなく、売り場でどう見えるかまで含めて提案できるかが差になります。什器やディスプレイごと提案できれば、買い手は導入後のイメージを持ちやすくなります。

逆に、売れたあとに棚が空き、次の商品が入ってこない状態になれば、せっかくの売り場は続きません。展示会は受注の入口であると同時に、継続的に売り場を動かす仕組みの入口でもあります。

2-3. 商品が見えない仕事にも、展示会的な考え方は使える

この話はメーカーや物販だけのものではありません。行政書士のような、商品が目に見えにくい仕事にも応用できます。

たとえば、業界団体でのセミナーや相談会に呼ばれること。これは、士業にとっての展示会に近い場です。建設業の許可を得意とするなら、建設業界の勉強会で講師として話す。そこで専門性を伝え、相談につながる導線を作る。単に「名刺を配る」のではなく、「この人に相談すればよさそうだ」と思ってもらう場を設計するわけです。

あらかわとしばっちの会話では、建設業のリスナーを増やしたい、セミナーに呼ばれるルートを作りたい、という話にも広がりました。ここで大事なのは、偶然の紹介を待つだけにしないことです。本当はこうなったらいいのに、でもルートが分からない。その状態を分解し、誰に知ってもらうべきか、どんな場に出るべきかを考える。これも展示会を販売計画に組み込む発想と同じです。

2-4. イベント後には、感想戦で次の計画に戻す

今回の2テーマは、最後につながります。展示会やセミナーは、事業を動かすためのイベントです。ただし、出て終わりではもったいない。終わったあとに感想戦をし、次に何を変えるかを決めて、ようやく学びになります。

展示会前に立てた仮説は当たったのか。来場者は想定した人だったのか。価格への反応はどうだったのか。資料は足りたのか。次のアポは取れたのか。これらを振り返れば、次回の出展や商品開発、PRの精度が上がります。

イベントは、事業に負荷をかけます。準備は重いし、当日も疲れるし、終わったあとの対応も必要です。でも、その負荷があるからこそ、普段先送りしていることに手をつけられる。展示会を締切として使い、終わったら感想戦で次の改善に戻す。この循環を作れると、イベントは単発の出費ではなく、事業を育てる仕組みになります。


エピソードの総括

今回の学びとポイント

第321回の共通テーマは、仕事を「やりっぱなし」にしないことです。案件も、月次計画も、展示会も、終わった瞬間に少しだけ振り返る。その積み重ねが、次の判断を具体的に変えていきます。

押さえておきたいポイント

  • 感想戦は反省会ではなく、次の一手を探すための会話として使う
  • 一人で振り返るより、誰かに説明する場を作ると整理の質が上がる
  • 見積金額、提案タイミング、専門外案件の扱いなど、判断の過程を振り返る
  • 展示会は当日だけでなく、商品開発、告知、受注導線まで含めて設計する
  • 商品が見えない仕事でも、セミナーや相談会を展示会的に使える

あらかわ・しばっちからのメッセージ

小さな事業ほど、日々の仕事に追われて振り返りや準備が後回しになります。だからこそ、月次面談や展示会、セミナーのような「日付のある場」をうまく使うことが大事です。

気合と根性で毎日改善し続けるのは難しい。けれど、誰かに説明する予定がある、展示会の日が決まっている、終わったあとに感想戦をする。そういう仕組みを先に置けば、改善は少し現実的になります。

次のステップ

まずは、今月終わった仕事を1つ選び、「次に同じ仕事が来たら何を変えるか」を3つ書き出してみてください。できれば、それを誰かに5分だけ話してみる。感想戦は、そこから始められます。

展示会や相談会に出る予定がある人は、ブースや資料を考える前に、来た人に次に何をしてほしいのかを1つ決めておくのがおすすめです。注文、サンプル依頼、相談予約、資料請求。ゴールが決まると、準備するものも自然に変わります。


monotips stationについて

monotips stationは、ビジネスの小ワザを紹介するWEBマガジン「monotips」から生まれたPodcastです。編集長のあらかわと副編集長のしばっちが、毎週ビジネスに役立つTIPSを紹介しています。

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