monotips station vol.286 11月中旬を過ぎたので、来期の事業計画について考えてみたTips / 書籍「解像度を上げる - 最小の努力で最大の成果を出す4つの視点」TIPS
第286回は、思考の解像度を上げる4視点と、来期の事業計画を動く計画に変える考え方を整理します。

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解像度を上げる思考と事業計画|monotips station 第286回
イントロダクション
monotips station 第286回は、2025年11月中旬のタイミングで、あらかわとしばっちが「考える力」と「来期の事業計画」をテーマに話しました。
あらかわパートは、書籍『解像度を上げる』をきっかけにした、ふわっとした思考を具体化するTIPSです。単に頭の中で考え続けるのではなく、深さ・広さ・構造・時間という4つの視点から、物事のセンターピンを見つける話が中心になります。
しばっちパートは、11月中旬を過ぎて今期の着地が見えてきた今、来期の事業計画をどう考えるか。個人事業主や小規模事業者にとって、事業計画は金融機関に出すためだけの書類ではなく、迷いを減らし、行動を決めるための道具でもあります。
今回の共通テーマは、「考えてから動く」だけでなく、「動きながら考える」こと。解像度を上げることと、事業計画を作ることは、実はかなり近い話です。
1. 解像度を上げるとは、センターピンを見つけること
1-1. ふわっとした話は、どこで止まっているのか
仕事をしていると、「結局何が言いたいのかわからない」「もっと具体的に説明してほしい」と言われる場面があります。本人としては説明しているつもりでも、相手から見ると輪郭がぼやけている。これが、今回あらかわが話した「解像度が低い」状態です。
解像度という言葉は、カメラやディスプレイの文脈で使われることが多いですが、思考にも同じことが起きます。ピントが合っていないと、何が問題なのか、どこから手をつければいいのかが見えません。
あらかわは、この解像度を上げるうえで大事なものとして「センターピン」を挙げました。ボウリングで手前のピンを倒すと、奥のピンも連鎖して倒れていく。仕事でも同じように、ここを押さえると他の問題も動き出す、という場所があります。
「ここをやると他のものもパラパラパラって倒れていくよね、というセンターピンにアプローチする」(あらかわ)
1-2. 深さ・広さ・構造・時間で考える
書籍の内容をもとに、あらかわは解像度を上げる視点を4つに整理しました。深さ、広さ、構造、時間です。
深さは、「なぜ」を重ねていく力です。表面的な原因で止まらず、もう一段奥にある理由を探る。たとえばダイエットで間食をブルーベリーに変えるとして、頭の中だけで「痩せるだろうか」と考えていても解像度は上がりません。実際にやってみて、意外とお腹が空かないのか、逆に食べすぎてしまうのかを見なければ、次の仮説は出てこないからです。
広さは、視野を広げる力です。自分の業界、自分の立場、自分の言葉だけで考えていると、見えている範囲が狭くなります。別の分野ではどう考えるのか、相手の立場から見るとどう映るのか。俯瞰することで、問題の置き場所が変わります。
構造は、頭の中にあるものを図や関係性に落とし込む力です。文章だけで考えると、要素同士のつながりが見えにくいことがあります。マインドマップでも、フローチャートでも、手書きのメモでもいい。全体像を一度外に出すことで、どこが詰まっているのかが見えてきます。
時間は、過去からパターンを学ぶ力です。未来を考えるためには、過去に何が繰り返されてきたのかを見る必要があります。読書や歴史から学ぶことは、今の問題を一段引いて見るための材料になります。
1-3. 考えるだけでは解像度は上がらない
今回の話で大事なのは、解像度を上げることが「長く考えること」ではない点です。むしろ、行動しないまま考え続けると、同じ場所をぐるぐる回りやすくなります。
あらかわは、完璧な計画を立ててから動くのではなく、行動してから思考を深めることの重要性を話していました。仮説を置き、試し、結果を見る。その結果から、また問い直す。この流れがあるから、解像度は上がっていきます。
実践としては、「なぜ」を5回繰り返す、週に1冊関連分野の本を読む、毎日10分でも思考を図にする、といった習慣が挙がりました。どれも派手な方法ではありませんが、ぼやけた問題を少しずつ具体化するには効きます。
ただし、あらかわは最後にバランスにも触れています。すべての物事を常に高解像度で見ようとすると、脳も時間も足りません。だからこそ、何に解像度を使うのかを選ぶ必要があります。つまり、ここでもセンターピンを見つける力が問われます。
2. 来期の事業計画は、動くための地図になる
2-1. 11月中旬は、来期を考えるちょうどいい時期
しばっちは個人事業主として、12月末で一年の区切りを迎えます。11月中旬になると、今期の終わりがかなり見えてくる。うまくいったこと、いかなかったことを踏まえて、来期をどうするか考えるタイミングです。
ここで出てきたのが、事業計画を作るメリットです。事業計画というと、融資や補助金のために作る堅い資料という印象があります。しかし、しばっちの話では、もっと日々の仕事に近い道具として語られていました。
一つ目のメリットは、やるべきことが整理され、迷いが減ることです。闇雲に歩いていたところに地図が手に入るようなもの。どの判断が計画の達成につながるのかが見えれば、日々の迷いは少なくなります。
二つ目は、行動に優先順位がつくことです。何から手をつけるかがはっきりすれば、無駄な動きが減ります。やることが増えるのではなく、やらないことを決めやすくなるのも、計画の大事な役割です。
2-2. 数字で見えると、改善できる
三つ目のメリットは、目標が数字で見えるので改善しやすくなることです。売上が足りないなら広告を打つ、セールをする、といった判断ができる業種もあります。一方で、しばっちのような士業の場合、広告を出したからすぐ依頼が来るとは限りません。
だからこそ、売上や顧客数だけでなく、行動計画を目標にする考え方が出てきます。いつ、何をするのか。誰に会うのか。どの発信を続けるのか。結果がすぐに見えない仕事ほど、行動の数字を置くことが大事になります。
外部からの信頼という意味でも、計画は役に立ちます。ただし、計画を作って引き出しに入れておくだけでは意味がありません。金融機関、事業パートナー、家族など、必要な相手に見せることで、自分が何を考えているのかが伝わります。
しばっちは、生活上のパートナーにも事業の方向性を共有すると話していました。事業は本人だけのものに見えて、家族の生活にも影響します。計画を共有することは、安心材料にもなりますし、応援してもらうための土台にもなります。
2-3. 強みと勝ち筋は、書いたあとに検証する
事業計画を作ると、自分の強みや勝ち筋がはっきりします。ただし、計画を作れば自動的に見つかるわけではありません。自分は何者なのか。どの市場で、何を武器にするのか。まず仮説として書き出す必要があります。
あらかわはここで、事業計画とセンターピンの話をつなげました。自分が「ここを押せば動くはず」と考える場所を書いて、一定期間やってみる。当たっていれば続ける。外れていれば、別のセンターピンを探す。
「計画の中に自分が思うセンターピンを書いてみて、動いてみて、当たってたらラッキー。外れてたらまた違うセンターピンを探す」(しばっち)
この考え方は、かなり実務的です。最初から正解の計画を作ろうとすると、なかなか動けません。けれど、仮説として置くなら動けます。1年単位で見直してもいいし、本当は四半期や月次で見直した方がいい場合もあります。
大事なのは、計画を「評価される書類」にしないことです。計画は、動いた結果を見て改善するためのもの。だから、外れた計画にも意味があります。なぜ動けなかったのか、どうすれば動けたのかを考えれば、次の計画の解像度が上がります。
3. AIは計画を作る相棒になるが、丸投げはしない
3-1. 作り方を聞くのは有効
事業計画をどう作ればいいかわからないとき、あらかわはAIに相談することをすすめていました。ただし、「こんな事業をしたいから計画を全部作って」と丸投げすると、どこか一般論っぽい計画になりがちです。
有効なのは、作り方を聞くことです。「事業計画を立てたい。どんな項目で考えればいいか」「自分の業種なら、どんな数字を置くとよいか」と聞けば、たたき台ができます。
さらにしばっちは、自分が何者かをAIに伝えることが大事だと補足しました。行政書士なのか、EC事業者なのか、コンサルタントなのか。今どんな状況で、何に困っているのか。背景を入れるほど、返ってくる答えの精度は上がります。
3-2. 見せ合うことで、計画は強くなる
しばっちは、ここ1、2年で「周りの人に見せた方がいい」と感じるようになったと話しています。自分一人で考えた計画には、どうしても思い込みが入ります。誰かに見てもらうことで、抜けている視点や、逆に強みになりそうな部分が見つかります。
もちろん、見せた相手の意見をすべて取り入れる必要はありません。アドバイスを受けたうえで、採用するかどうかは自分で判断する。その繰り返しで、計画は少しずつ自分のものになっていきます。
柴原行政書士事務所の例では、「一般的な行政書士ではなく、柴原行政書士事務所に頼むと何がいいのか」を考える話が出ていました。そこで見えてきたのは、進捗共有やレスポンス、特急対応のようなコミュニケーション面の価値です。
早くしてほしい人には特急料金、通常でよい人には通常料金。こうした選択肢を分けることで、お互いのストレスを減らせる可能性があります。これも、強みや勝ち筋を具体化したからこそ見えてくる改善です。
エピソードの総括
今回の学びとポイント
今回の2テーマは、別々の話に見えて、どちらも「ぼんやりしたものを動ける形にする」話でした。解像度を上げるとは、細かい情報をたくさん集めることではありません。限られた時間や体力の中で、どこに力をかけるべきかを見つけることです。
押さえておきたいポイント
- 解像度を上げるには、深さ・広さ・構造・時間の4つの視点で考える
- センターピンは、ここを押すと他の課題も動くという要所のこと
- 事業計画は、きれいな資料ではなく迷いを減らすための地図になる
- 強みや勝ち筋は、計画に書いて、動いて、結果から検証する
- AIは計画作りの相棒になるが、自分の状況や思いを入れずに丸投げしない
あらかわ・しばっちからのメッセージ
考えることと動くことは、対立するものではありません。考えずに動けば迷走しますが、考えるだけでも何も変わりません。仮説を置き、動き、振り返る。その繰り返しが、思考の解像度も事業計画の精度も上げていきます。
11月中旬は、来期のことを考えるにはちょうどいい時期です。今年うまくいったこと、動けなかったこと、思ったより効いたことを一度書き出してみる。そこから、自分にとってのセンターピンを探してみるのがおすすめです。
monotips stationについて
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